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【実施報告】第120回 丸和ソーシャルビジネス研究会 ──チャットワーク創業者が語る「起業から上場までのリアル」と日本の未来──
2025年5月9日
事務局
第120回丸和ソーシャルビジネス研究会は、チャットワーク株式会社創業者で現パワーエンジェルス代表の山本敏行氏を講師にお迎えして4/19(土)にオンラインで開催されました(申込50名・当日参加40名強)。
研究会リニューアル後の第1回として、従来の2時間半から90分のコンパクト版に短縮し、会員以外にも一般・学生を広く募集しました。
山本氏には、小学生時代の内職(月3万円)や中高生時代のパソコン通信機器転売(月20万円)などの原体験から、2000年のLA留学中に「ドットコム・バブル」を体感して創業するまでの経緯をお話しいただきました。
電話も訪問もないオンライン営業を徹底(当時は批判)し、社員40名以下にこだわる「超効率経営」を行っていた「ECスタジオ期」の挑戦、そして2011年に「メールの時代は終わりました」と宣言してチャットワークをリリースし、シリコンバレー移住・18億円調達を経て2019年に東証グロース上場した経験まで、起業家としての歩みをリアルに語っていただきました。
上場1年前にCEO退任、株式の70%を弟へ1円で譲渡するという異例の決断と私生活リセットについても言及され、「大志>血気」という経営哲学をご紹介いただきました。
現在は「Power Angels」で300名のエンジェル投資家と100社の投資実績を持ち、「ユニコーン企業部」で高校生社長を育成。
東証グロース活性化のための3提案(①GPIF等の公的資金1%をグロースへ ②NISAの”成長投資枠”をグロース投資で倍額・再投資可 ③上場直後M&Aに補助金を付け、中小企業承継を促進)を提言され、「スタートアップ・地方・高校生——”3つの底上げ”が日本再成長の鍵」というビジョンを示されました。
質疑応答では、日本のエンジェル市場の課題(米国の1/10以下のコミュニティ規模)、Deep Tech投資の現実的アプローチ(専門VCの審査に”横乗り”するフォロー投資)、投資判断の7条件(「クレイジーさ」「高速レスポンス」「志の大きさ」など)、上場後の株価低迷問題(波=資本市場を起こすのは国の役割)、経営者の姿勢(”社員>顧客”で守る)などについて、活発な意見交換が行われました。
丸和ソーシャルビジネス研究会の講演・議論のまとめは、会員限定ページに掲載しています。