第9回ブログ(2015.12.)(有)末松企業進化研究所(SKR)代表取締役  中小企業診断士 技術士(経営工学);末松清一「私の2015年問題」

 この国の高齢化問題で、大きな課題が「2015年問題」です。2015年度ごろまでに団塊世代が75才の後期高齢化世代に到達し、後期高齢者が約3500万人、人口の約30%に到達するといわれています。
 私はその団塊世代の先頭を走る1947年(昭和22年)生まれです。
仕事柄、医療機関や介護組織との付き合いが多く、頻繁に2025年問題が話題に上がりますが、従来は何か他人事と感じていました。

ところが、会社勤めを卒業し、経営コンサルティングの会社を開業し8年、仕事も順調に伸びて、1年間フル活動を続けていた55才の秋に、突然の病が襲ってきました。いわゆる生活習慣病なのですが、会社を辞めて1度も健康診断・人間ドックを受けていませんでした。
加えて、月に20日以上の出張で外食や宴会を続けていましたので当然の帰結といえます。 駆け込んだ慈恵医大付属病院で、「即入院」を宣言されましたが、仕事が詰まっており入院するわけにはいきません。医師にそのことを訴えると、しぶしぶですが「アルコールを絶つこと、運動をしないこと、食事を変えること」の3つを厳守することで入院は免れましたが、もしこの時に病院へ駈け込んでいなかったら、今頃は寝たきりになっているか、命が尽きた恐れがありました。

 55才の秋から健康改善に取り組むことになります。もちろん薬を飲みながらですが、まずは、大好きだったアルコールを絶ちます。これは6年間、1滴も飲まない日々が続きました。(ちなみに現在は少量飲んでいますが)さらに、食事療法が一番大変でした。これは妻の全面的協力がなければ続きません。朝晩の食事は特別食、日帰りの仕事では手作り弁当を作り続けてくれました。出張時は和食レストランを探し回って、肉類、揚げ物類は一切絶ちました。そして、汗をかかないように気を付ける生活が続きました。(これは血栓を作らないための対策で、健康が回復してくるとウォーキングを始めます)

 やがて、6年後60才時には健康が回復しました。健康を取り戻した記念に初めてのフルマラソンに挑戦し、第1回東京マラソンに参加できました。

振り返ってみると、発病したのは、独立後の不規則な生活が直接的な原因ですが、20代30代の生活習慣が積もり積もって体をじわじわと痛めていたように思えます。それでも、生活を変え、適正な食事と運動を続けることで、健康は改善し、様々な生化学数値も、現在は標準値を維持しています。次は70才記念で再度フルマラソンに挑戦するために、ジョギングに励む毎日です。
2025年問題は団塊世代問題でもありますが、この世代は健康志向も強いので、厚労省が心配するような介護対象人口にはならないのではないかと考えています。

 エルパソ会の皆様も、創業時の多忙さや企業を経営していく厳しさを乗り切るためにも自己責任で食事管理、運動量管理を進めて、健康な心身で企業経営に取り組んで頂きたいと願っています。