起業からあっという間に5か月が経ち、事業の感触を掴める様になってきた。今回のブログ執筆を機に、これまでの活動を振り返ってみたいと思う。
前職でまだ働いていた頃、私は、起業前の準備として、会社の名称やメールアドレス、企業理念など、会社の中の整備に余念が無かった。その一方で、事業計画も念入りに作成しており、単価×個数=売上高という式を何度となく、弾いていた。
多くの起業のノウハウ本に、「起業前の事業計画がその後の成功を左右する」と書かれていた為、失敗する恐ろしさを払拭する意味もあって、必死になって事業計画を作成していたのかもしれない。しかしながら、起業のノウハウ本を数多く読んでみると、「起業前に事業計画を念入りに作成するべからず」と記載されている本が、ある一定割合で出現するのである。それは、起業は、結局のところ、計画通りに行かないから計画を立てても仕方ないというのが共通の理由である。果たして、事業計画は作成した方がいいのか、しない方がいいのか、どちらだろうか。
事業計画作成の利点としては、自分が行う事業内容を詳細に決められる点、事業を開始した時にやるべきことを明確にできる点、売上の目標を決められる点、数年後の目標を見据え、その途中段階として、現在の活動を捉えられる点だと考えられる。
一方、事業計画作成の無駄な点としては、必ずしも計画した内容を実施できるとは限らない点、また、計画した内容を実施しても想定した結果に結びつかない点、想定した単価とコストが正しいとは言えない点、想定したシェアが取れるとは限らない点であると考えられる。
では、実際の私の計画は、どうであったのか。事業計画を念入りに作成したお蔭により、企業理念を具現化する活動内容や中長期的な目標に対する取り組みなどを語ることができ、補助金を始めとする運転資金の獲得を、比較的容易にできたと考えられる。しかし、実際に自分の計画通りに活動できたかという観点では、想定していなかった障害により、計画の約半分しか活動できていない点や、計画通りに活動しても想定した結果に結びつかない点が多く、お世辞にも計画通りにできているとは言えない。また、活動して得られた想定外の結果に流されて次のアクションを取っていることが多く、流動的な毎日を送っているのも事実である。唯一、売上計画だけが、足かせの様に常に脳裏に焼き付いており、プラスとマイナスを繰り返しながらもどこかで帳尻を合わせることを私に要求していると言える。
これまでの経験から、やはり起業前の事業計画は、中長期的な計画とそれを具現化する大枠のステップ、そして1か月目の活動と売上計画だけ決まっていれば良いのではないかと思われる。それ以上に、事業の感触を早く掴み全体の事業システムを把握することが大切なのではないかと感じる。そして、その時点で詳細な事業計画を立て、中長期計画を達成できる様に策を講じることが大切なのではないだろうか。私にとっては、今がその時だと感じる。毎日の活動に流されずに、きちんとした事業計画を立てられる様、作成のための時間を予定表に書き込んだ。