日本の多くの企業も国民も、日々この課題について、対応させられている、いや、しないといけないと感じているのではないでしょうか?
変化対応には 2つの行動が伴います、ひとつは変化を入手し理解する、もうひとつは その上で対応を実践する。そして、実際の変化情報はグーグルで検索しても入手できない。必要なのは単なるInformationではなく、実践のためのIntelligenceです。
ラグビーワールドカップで3勝を挙げた日本代表ですが、ひとえにヘッドコーチのエディジョーンズが世界のラグビーの実力と各国のラグビーのレベル、技術の変化を入手して理解していたことが大きく、次のヘッドコーチが日本人で世界のラグビーネットワークを持っていなければ、日本でのワールドカップでこのような成績は難しいと予想します。
さて、私はキャリアである製造業のSCM分野では 目まぐるしい環境変化と日本企業の対応がどうなのかについて少し話をします。結論から言うと各分野、各企業で格差がついてきているというのが答えです。
1990年後半、日本の製造業の間で、調達する部品、原材料が急な円高によって、海外品が割安となり、「海外調達へ」の嵐が吹き荒れました。それまでの国内地場の中小企業による下請け、あるいは協力会社による、海外にも有名な「ケイレツ」という体制に代わって、中国、東南アジアなどLCC(Low Cost Country)が製造拠点となり、また「海外調達」という言葉も死語となりました。
当時、海外調達は、我々、調達担当者が集まり、どこの国から調達すべきか、金型はどうするのか、品質管理、保証は大丈夫かなどと論議して、中国、台湾、タイなどへ調達先拡大を決めました。しかし、今は日本企業にとって中国は撤退したいが抜け出せないケースも多く、とは言え、日本の下請け企業も少子高齢化で跡取りがいない、製造設備も廃棄済みで日本回帰などできない。さらに、ITの進化により、供給先の規模も大きくなり、機械部品なら設計をインド、製造はタイ、物流は需給を含めてグローバル専門業者に業務委託というように、調達の世界は日本だけでは何もできない状況となっています。
そして、事業の競合相手を見ても、最近のビールメーカーのバドワイザーとミラーのように世界で1位、2位が合併によって、さらに巨大なビール原料の調達競争力を持とうとしています。
このような変化を理解できずにいると、明らかに格差の中で後塵を拝することとなります。どうすればよいか、答えは一つ、「とどまらない、どうなるか分からないが前に進む」しかないのです。
グローバル連携での生き方は昔から仲間意識として生きてきた日本には苦手な面であります。スポーツで言うと、日本人のひとり、ひとりはナンバーワンでなくてもチームでナンバーワン、WBCで
日本代表が野球世界一というのが、日本の理想と考える人も多くおられますが、本当にそうなのでしょうか?