日本の人口が1億人を突破したのが統計上1967年、その当時の高齢者の割合はわずか7%でした。今後日本の人口は減少の一途をたどり、2050年には1億人を割ると言われています。その時点での高齢者の割合は40%以上と推定され、1967年の人口1億人とは構造が全く異なります。この急激な人口構造の変化に我々はどのように対応して行くのでしょう。一つの比較にすぎませんが、現在3.2億人の米国の人口は2050年に4億人を超える見込みです。これは日本の過去の人口増加の3倍のスピードです。急激な増加に伴う行政の対応が必須です。人口の議論は様々ですし、現時点で是非を問うことはできません。しかし、いかに対応して行くにせよ、ソフトランディングすることが望ましいという視点で、現在私なりに人口問題をアプローチしています。そのための施策として、またプロジェクトとして、フェイジビリティスタディを進めてきました。人口減少スピードをスローダウンさせるメソッドとして①移民を増やす②出生率を上げる③アクティブシニアを増やす、以上三つの目的を可能にするビジネスモデルを模索しながら、ようやくその入り口に到達いたしました。確実に3つの目的を永続的に前進させる実行可能なプロジェクトです。次回のブログで詳細をアップデートできますよう勇往邁進する所存です。
何れにしましても、世界の人口が2050年に100億人を超える中で、日本の人口は減少します。人口=国力というわけではありませんが、我々が直面する近未来をどのように迎えるか。幸福感や働き方も含め、真剣に取り組まなければいけない事案であることは間違いありません。
昨年「米国ロサンゼルス-リトル東京再開発事業」というプロジェクトで公益財団法人丸和育志会より賞をいただきました。当プロジェクトは現在entitlement(許認可取得)のプロセスにあり、2020年7月竣工を予定しております。ダウンタウンロサンゼルスは再開発の真中にあり、2024年夏季オリンピックの最有力候補地を背景にしばらく開発の熱が続きそうです。当プロジェクトにとっては追い風です。ただしロサンゼルスの人口増加率は全米でも群を抜いて高く、行政もビハインドの状況で交通渋滞も深刻です。現在メトロ建設が行われていますが、ロス住人のメンタリティーを考えるとあまり効果は期待できません。良い面では治安が圧倒的に改善され、深夜に女性二人で夜食を食べに出歩いている姿をよく見かけます。
プロジェクトのコンテンツの一つである日系移民の歴史的洞察は1900年前後に始まった日本の移民政策を国別に比較する中心的材料となり、今後日本が受け入れる可能性のある移民の事前整備の対策に活かせればと考えています。