2020年度の振り返りと次年度事業計画~新型コロナ禍を越えて ~
2021.3.26
公益財団法人丸和育志会
専務理事 橋本忠夫
新型コロナに振り回された2020年度も間もなく終了です。
ELPASO会員の皆様には丸和育志会活動にご協力いただき、まことにありがとうございました。
コロナ禍は現在も収まってはいませんが、日本中が前年度の単なる繰り返しではなく、ワクチン接種・マスク・3密防止に加え、国産ワクチンや新治療薬開発、テレワーク・オンライン会議等ニューノーマルをベースに、新たな創造的取組み行動をスタートさせる年です。
新型コロナが日本社会に与えてくれた教訓を、下記5項目にまとめてみました。
1.科学技術の発展を基礎に、数々の軋轢を生みながら進展したグローバル化が一定状態に到達するのを待っていたかのように、自然・文化・政治体制の違いに関係なく世界中の人々が同様に新型コロナに感染した。
個人、事業、企業、経済、社会、政府、国家、世界等を新たな視点から見直す絶好の機会である。
2.日本のパンデミック対策は、国民の行動自粛のお願いが中心で戦略性に乏しい。
3.ITレベルや社会的浸透度の影響は大きく、日本がIT先進国でないことが判明した。
4.感染症分野における科学的に明快な知識と、まだ不明なことの両者をありのまま国民に分かり易く説明する、という「感染症専門家の役割」が十分果たされたとはいえない。
5.人と人との交流を遮断すれば、パンデミックの拡大阻止と同時に経済はマイナス成長に陥る。
問題把握だけならともかくその後の効果的対策検討段階でも「生命か、経済か」という2項対立軸を設定し選択を迫る、という誤った思考癖が日本社会では根強い。
ソーシャルビジネス起業家を目指す者にとっては、4と5は重要です。
①科学者・医師やその他様々な専門家の中で、上記の、「本来の役割を正しく認識した専門家=知的支援者によるバックアップの有無」がビジネスの成功を左右する場合は少なくない。
②選択と集中のためには具体案の提示が必要です。
「2項対立軸分析⇒それに基づく代替案の立案⇒選択⇒資源集中」というロジカル風プロセスに惑わされ、肝心の重要具体案が欠如する事態が発生しないよう、経営者は自分自身の思考力向上に努める必要があります。
丸和育志会もPDCAサイクルに基づく事業推進に努めております。
パンデミックから学んだことを年度事業計画に反映させ、さらに50周年記念事業計画策定も視野に、知的支援者グループの充実、外部人材の積極的活用による組織力強化も実施するつもりです。
HPには順次告知してゆく予定ですので、ご意見に加え、財団のイベントやプロジェクトにも主体的参画の程、よろしくお願い致します。
・財団理念に、行動基準「自分で考え、仲間をつくり、実践する」を追加しました。
・公1事業方針、及び公2事業方針を微修正しました。