『自分で考え・ 仲間をつくり・ 実践する』
明治時代、札幌農学校の生徒に対してクラーク博士が発したメッセージ “Boys, be ambitious (少年よ、大志を抱け)” が、現在も多くの日本人の心に浸透している事実は、日本文化が《志》に高い価値を認める証左である。 自己中心の快い願望である夢と異なり、《志》には、個人の願望を超え多くの人の夢や願望をも叶えてやろうとの気概、すなわち未来への強く厳しい挑戦意志が存在している。
21世紀のグローバル化・超複雑化社会、特に80年代に一定の豊かさを実現した後、閉塞状況から脱け出すために必要な内部パワーを生み出せない日本では、挑戦に値する目標を持てない人間が溢れている。元々、《志》には使いきれない富の蓄積に人生のすべてを捧げる愚かさの指摘が含まれているが、手段に過ぎない富が目標としての分かり易さから目的に変質し、《志》がもたらすはずの深い満足感の喪失状態が続いている。
一方 《志》は、富や名誉を求める心を卑しいものとする清貧志向文化を是とせず、富なしには個人の幸せも社会の発展もない現実を十分認識している。 “志と富のバランス” の社会的コンセンサスこそ、日本文化が21世紀の世界に影響を与える可能性のあるコンセプトである。
《志》ある事業の推進・継続により、相応の富・本来の意味の栄誉と不朽の名声獲得に邁進する人材を輩出し、社会・世界に貢献することが、公益財団法人丸和育志会の《志》である。
行動指針; 『自分で考え、仲間をつくり、実践する』