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【実施報告】第125回 丸和ソーシャルビジネス研究会 丸和ソーシャルビジネス研究会 ──ライフサイエンスとスタートアップ 〜日本と世界のエコシステムを築く〜──
2025年11月14日
事務局
第125回丸和ソーシャルビジネス研究会は、曽山明彦氏(LINK-J理事兼事務局長)を講師に10/25(土)にオンラインで開催されました(参加者19名)。
今回の講演では、三井不動産が10年前に設立した一般社団法人LINK-J(ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン)が進めてきたライフサイエンス分野におけるイノベーション創出のためのエコシステムづくりが紹介されました。
研究者・企業・投資家・行政など約1,000の会員が集う国内最大級のコミュニティに発展し、物理的な場(研究施設・ウェットラボなど)と、交流・育成の場(セミナーやアクセラレーション)を組み合わせ、多様な連携を促進。
特にスタートアップ支援では、メンターとのマッチングや資金仲介、海外拠点との連携(サンディエゴや英国など)を展開。厚労省のスタートアップ支援機構「MEDISO」とも協働し、医療系ベンチャーの育成に力を入れている。
LINK-Jの成功を受け、三井不動産は近年、宇宙・半導体分野にも同様のエコシステムづくりを拡大しており、「不動産デベロッパーから産業デベロッパーへ」という新たな方向を打ち出している、など具体的にお話しいただきました。
講演全体を通じて、曽山氏は「多様なプレイヤーをつなぎ、対話を生み出す仕組みこそがエコシステムの核である」と強調されました。
質疑応答では、スタートアップ支援について「公的資金を活用した支援の難しさ」や「分野特化の必要性」に関する問いがあり、曽山氏は「全分野対応では薄く広くなりがち。専門領域に強い既存機関と積極的に連携すべき」と助言されました。
また、医療機器領域の課題について、国が創薬中心の支援に偏る中で、今後は医療機器やデジタルヘルスを対象にした政策支援が望まれるなど、スタートアップ育成を中心に意見が交わされ、ELPASO会員にとって非常に興味深いものとなりました。

丸和ソーシャルビジネス研究会の講演・議論のまとめは、会員限定ページに掲載しています。